そんな私達の様子に

「鼻血で
車の中を汚しちゃって
居づらくなって

ふたりで
車を押してたとか?」

赤信号にゆっくりと
ブレーキを踏みながら

バードさんが勝手に
お話を膨らませていてッ。


「あの、えっと、ですね」

何をどう
どこまで説明すれば
いいんだかッ。

しゃべっていいコト
悪いコト

もう私には
判断がつきませんッ。


なのに!

ドンドンドンッ!

そんな私に
追い打ちを掛けるように

運転席の窓ガラスが
激しく叩かれる。


「お前、何
トロトロ走ってんだよ!」

…ワンオーの
おに〜さんッ。


運転席の窓を開けた
バードさんに向かって

「早く走れ、と
事情を知らない後ろの車に
クラクション鳴らされるワ!
煽られるワ!」

厳しい口調でなじり始めた。


「ワンオーの車が
走行の邪魔になってるなんて
いい恥さらしだ!」

ワンオーの
おに〜さんってば

車を引っ張って貰ってる
恩を忘れて
凄い言いようだ。


「俺がこっちの車に乗って
指導するから!」

お前らは
後ろの車に乗れ、と

ワンオーのおに〜さんに
私とシンスケは
後部座席から追い出された。