「…何かトラブルに
巻き込まれたら困るんじゃ
ないんですか？」

なんて
ワンオーのおに〜さんに
答えてる
ガラスに映るバードさんの
口の端の上がり具合が

皮肉めいていて。

「……」

バードさんが
そんな表情をするなんて
何だかとっても意外だ。


「それとも
事故に遭うのは僕の車で
ワンオーの車じゃ
ないから、とか？」

バードさんの挑発的な
物言いに

「はあ？
お前、ワンオーのコト
ナメてんの？」

ワンオーのおに〜さんが
運転席を覗き込んだ
その瞬間！

「うおッ！？」

青信号に車が急発進して

ワンオーのおに〜さんの
カラダが
後部座席に押し戻される！


「…おまッ！」

運転席のシートを
ガシリ、と掴んで

ワンオーのおに〜さんが
ドスの効いた声で
凄んでいて

…後ろを確認するのも
コワイですッ。


なのに。

バードさんてば
さらに
ワンオーのおに〜さんを
挑発するように

乱暴にハンドルを
右に切ってッ。


突然のウィンカーの点灯に
後ろの車が
振り回されるようにして

大通りは大混乱！


「仰せのとおりに
致しますよ。

ワンオーに逆らって
いいコトがあったヤツは
いませんからね」

バードさんの車は
静かなマンション街へと
突入していった。