そんな私の希望を
打ち砕くかのように
「おい。何やってんだよ」
運転席のドアから
車内を覗く
共犯者のオトコの
シルエット。
ジェットタイプの
ヘルメット。
一瞬。
半透明なシールドの中の
オトコの目と目が合って
「……!!!」
毛布の中に
自分の顔を埋め直しても
もう遅いよねッ。
「……」
「……」
…一瞬とはいえ
犯人の顔を
見ちゃうなんてッ
生きては返して
貰えないかもしれないよお。
見たけれど
顔は覚えていません、って
言い訳なんか
通じそうな相手ではないッ。
「おい。
どうすんだよ?、これ」
“これ”って
私のコトですかッ?
「知るか!」
「ったく!
面倒は全部
俺なんだから!」
なんて会話が
私の真上で
繰り広げられていてッ。