「だってッ!
見てよッ、この惨状ッ!」
無残に割れた
後部座席の窓ガラス。
「お前が運転席のヤツと
いちゃついたり
するからだ!」
「……」
もしかしてッ。
アナタは
私とバードさんのコトを
勘違いして
嫉妬のあまり我を失っての
行為だったと…?
あまりのくだらなさに
開いた口が塞がらないッ。
「どうすんのよ、これ!」
「弁償してやれば
いいんだろ!」
そういう問題ッ!?
「バードさんは
この車の中で
寝泊りしてるのにッ!
この寒風吹き曝しの中
寝たりしたら
凍死しちゃうじゃないッ」
「…車の中で
暮らしていた、だと?」
私のセリフに
セイの眉間のシワが
反応してッ
「そうみたいだな」
共犯者…もといッ!
“セイの連れ”が
足元のゴミ箱を
持ち上げた。