「何?」

「何ってガラス…」

「ああ。大丈夫。
気をつけて抱いてやるから」


…どこまでもアナタは
そうやって下ネタで
誤魔化し通す
おつもりなのですねッ。


だけど。

「そんな手に乗せられて
動揺なんてしないからッ」


後部座席にアタマを突っ込み

セイのベンチコートの
ファスナーに手を掛けて

セイの胸元を
はだけさせると


「…何なの、この衣装?」


目の中に飛び込んできたのは

白金の糸で織られた
見るからに高価そうな
チャイナ服。


「…積極的だな」

「……」

ファスナーを
最後まで下すと

真っ黒なコートの中から
現れたのは

眩いばかりに輝く
羽化し立ての真っ白な蝶…。

じゃなく

「お望みなら
もう一枚脱ごうか?」

愁いを帯びた長いまつ毛の
最低エロ男子ッ!!