この小悪魔ッ!
確信犯ッ!

その美しさを武器に
相手を黙らせようなんて

クレオパトラか
楊貴妃かッ。


哀しいかなッ

おに〜さんってば
そんなセイの術中に
簡単にハマっては

鼻の穴をひくひくさせ

セイごと
吸い込みそうな勢いで

セイの甘い匂いを
嗅いでいるッ。


「すみませんッ!
ウチの弟が
調子に乗りましてッ」

セイの首根っこを掴み

私はセイとワンオーの間に
カラダを割り入らせた。


「…は。弟…だと?

セイって
オンナじゃなかったのか!?」

「ええ、まあ…ははは」

セイの話を
想い入れいっぱいに
語っていたシンスケに

セイの性別を
勘違いさせられたのも
無理はない。

無理はないけどッ。


さっきからの
セイの私への性的からかいは

このおに〜さんの中で
どのように解釈されて
いたのだろうか。


セイの横顔を
見つめ続けている
おに〜さんの目。

…もしかしてッ。