おに〜さんの胸に
つけられていた
カーキ色の羽根に
視線を落としながら
「この鳥の羽根は
全ての命は
ひとつの家族、って
博愛のシンボルらしいね」
セイがおに〜さんの顔を
上目づかいで覗き込む。
「そんなシンボルの
裏ポケットに
黒い鉄扇を
忍ばせてるなんて
全く無粋な集団だよね」
セイのコトバに
「!」
我に返った
ワンオーのおに〜さんが
セイの手を払い除け
慌てて自分のジャケットの
前を塞いだ。
「アンタ達。
本当に本物のワンオー?」
「…どういう意味だ」
月夜に啼く春鶯
〜ツキヨニナクトリ
レクイエム#033
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