レクイエム#034


「別に。

コトバ通りに
解釈して貰って
結構ですよ」

セイは
ワンオーのおに〜さんを
挑発するかのように
背中を向ける。

セイの肩越しに
おに〜さんと
私の目が合って

「…あは?」

額から嫌な汗が
こぼれ落ちた。


右側からは
セイの鋭利な視線を感じ

「…えっと」

私は自分の視線を
運転席の方に逃がして

そこにいるハズの
テルさんに
助けを求めようと
した、のにッ!!!


この緊迫した事態の中

こちらに背中を向けたまま
ケータイで
誰かとお話中なんて
アリなんですかッ。


「…えっと、ね。
とにかく夜も遅いし

パパ達も
心配してるだろうから
話は家に帰ってから…」


その場の空気を誤魔化して
私はセイの腕を取った。


「そうはいかないな」