「…ふん」
「何がおかしいッ!?」
セイに鼻で笑われた
おに〜さんの鉄扇が
私の目の前で
セイの首元にヒットして
ダンッ!
セイの上半身が
助手席の背に
激しく打ちつけられた!
「セイッ!」
言わんこっちゃないッ!
私は後部座席に
アタマから乗り込んで
セイの背中を抱きかかえる。
「…おいおい。今の
打ちドコロを間違えてたら
首折れてたぞ」
つぶやいたテルさんの胸倉を
ワンオーのおに〜さんが
絞り上げるように掴み直すと
「うるさい、うるさい
うるさいッ!!!!!」
テルさんをそのまま
車外に突き出した。
「生意気な口を
利いたコトを
後悔させてやるからな!」
余裕をなくした
おに〜さんが
ドスの効いた声で凄んでる。
「……」
セイとテルさん。
本気でケンカを始めたら
2対1じゃ、どう見ても
おに〜さんに不利な状況で。
こんなとき
冷静さを保て、という方が
難しいだろう。
なのに。
「ふふん」
「セイ…?」
セイはそんな相手を前に
笑いをかみ殺していて。
「貴様ッ
今、笑っただろう!?」
ワンオーのおに〜さんに
両手で胸倉を掴まれた。
「…アンタ達、4年前と
ちっとも変ってないな」
え?