仮にも成人した社会人が
男性に成りすましてまでして
親から逃げ隠れしてるなんて
なんだか凄い違和感だ。
「教職を辞めて
元夫の田舎で
娘のコトを
ずっと探し続けていて。
それが今年!
免許を
こっちで更新したコトで
どうやら、この街に
居ついてるらしいって
わかってさ」
テルさんが
バードさんの運転免許証を
指で弾く。
…それで急にセイの身辺が
慌ただしくなっていたんだ。
「ま、キリエさんの父親が
俺らの先輩だから、っつ〜
コトもあって
軽〜い気持ちで
人探し手伝ってたら
いろんなコトに巻き込まれて
もう大変!」
「キリエさんの父親…?」
バードさんのおじいさん…。
「トーコちゃん
覚えてない?
足を痛めたとき
湿布してくれた
薬屋のじいさん」
「え?」
「あのヒトなんだけど」
あああああ!!!!
「私の顔に
鶯のウンコを塗りつけた
中国の死体妖怪ッ!!!!」
あの、おじいちゃんッ!
「…ウンコ!!!
死体妖怪…!!!」
テルさんが
ふたつ折れになって
悶絶していてッ。
「…変なコト
想像しないでくださいねッ」
「そのキーワードから
どんな健全な想像を
働かせろとゆ〜んだか」
…確かにッ。