そう信じたいけれど。


私のポケットの中には

この車の中で拾った
疑惑のケータイ。


このヒトは何を考えて
何をしようとしていたのか。

ここまでして
逃げ回らなくてはならない
理由ってなんなのか。


どこまでも淋しい色をした
その瞳。


「ケータイで
あんな小細工しても

たいして時間稼ぎは
できね〜ぞ」


「わかってる。

キミ達には
1時間もつき合って貰えれば
充分だ」

バードさんが
ちいさく笑ってて。


「で、これから先
どこへ向かえばいいんだ?」

テルさんの質問に

「…賽の河原」

バードさんが静かに答えた。


「ははッ!

三途の川でも
見に行くってか?」

「……」


「…冗談だよな?」


「とりあえず

さっきのマンション街に
戻って貰おうか」


「……」

そこは自殺の名所。

死にたい者が
集まってくる…。





月夜に啼く春鶯
〜ツキヨニナクトリ

レクイエム#040

≪〜完〜≫


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