「神様、とか…?」


「……」
「……」

くだらない私のジョークに
車内が水を打ったように
静まり返って。


「…はは」

「……」

「はははは!」

テルさんが時間差で

「トーコちゃんって
マジ、最高!」


…私のジョークに
上半身を前後させながら

爆笑し出した。


「そうだよ。

きっと神様に
ハメられているんだよ」

「……」

そんなに思いっきり
肯定なんてしなくても…。


「でも、まあ。

恨むんなら神様でなく
セイを恨むんだな」

なんて。


「派手なパフォーマンスで
ワンオーを刺激して

ワンオーのやり口を
ビデオに収めようなんてさ

セイは甘いんだよ」


…テルさんの襟元から覗く
チャイナカラー。


もしかして。

「…あのステージに
立っていたのは

セイとテルさん…?」