「心配してくれてるんだ?」
「いえッ。あの…そのッ」
「……」
「……」
沈まれ心臓!
「このマンションにいつも
あの車停めてるし。
住民とも顔見知りだから
いかにもワケありな事故車でも
通報される心配はないよ」
エレベーターの表示を
見上げるバードさんの
美しい横顔。
「……」
ふたりを乗せた
エレベーターは
最上階に
差し掛かろうとしていた。
「…さっきさ。車の中で」
「え?」
「“…クボ先輩も
お坊ちゃまだったけど”って
トーコちゃん
つぶやいていたよね?」
「え」
「もしかして
キミもクボくんと知り合い
だったりするのかな?」
月夜に啼く春鶯
〜ツキヨニナクトリ
レクイエム#042
≪〜完〜≫
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