その昔

本妻との間に
子どもに恵まれなかった
クボ家。

妾に産ませた子どもが
跡継ぎに、と
本家に引き取られたコトで

自分の立場を危うんだ
本妻が

ワケありの
若い娘のお腹の子を
買い取って

自分が産んだ子だと
偽装する。


クボ家の血を継いでいる
長男が

妾の子と蔑まれ

クボ家の当主とは
血の繋がりがないクボ先輩が

本妻の子として
大切に育てられるという

捻じれたカンケイ。


そんな自分の出生の秘密を
知ってしまったクボ先輩は

行き場のない思いを
義兄にぶつけ

結果

引き起こした車の事故は

セイのパパの運転ミスによる
交通事故として処理された。


揉み消された事件の
真相を知って

責任感から服毒自殺を選んだ
クボ先輩の産みの母。

そして

クボ先輩の命令で
車のハンドルを握っていた
当時中学生だった
クボ先輩の義兄は

このマンションから
飛び降り自殺。

ふたりの死は
クボ先輩を追い詰める。


自分の両親の死の真相を
知りたいと
動き回っていた

小学6年生だった
セイの背中に

火傷を負わせたり、と

昔のクボ先輩は
現実から逃げるコトに
必死だったけど。


今はそんな過去とも
ちゃんと向き合えるように
なっていたなんて…。


「…クボ先輩」

そう言えば
もうずっと逢ってない。