「そうそう!
ワン…」

「……」
「……」
「……」

ご婦人方の訝しげな視線が
私の背中に突き刺さる。


「アナタ…」

「いえッ、スミマセンッ
ついッ」

慌てて
その場を取り繕おうとする
私のカラダを

マッチョなゴマ塩アタマが
ご婦人方に向き直らせた。


「あのッ。たまたま
ちょっと知ってただけでッ」

「……」

「ホンットッ
立ち聞きするつもりなんて
これっぽっちもッ」


「…ちょっと、この子
どこかで見たコトがあるわ」

「えッ」

「どこだったかしら。
誰だったかしら…」

お団子アタマのご婦人が
老眼鏡を上下させながら

私の顔を
斜め上から見下ろしてくる。


「そ〜おだわ!
思い出したわ!

間違いないわ!
絶対に、この子よ!」


その鬼の首でも
獲ったかのような笑顔に

「あ、は…?」

さらなる波乱を予感した。





月夜に啼く春鶯
〜ツキヨニナクトリ

レクイエム#044

≪〜完〜≫


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