「ひえええええええ!!!」
私の腕に書かれた文字がッ!
「文字が
消えているううううッッ!」
「ちゃんと消えて
よかったわねえ」
「……」
ちいさな親切
どデカい迷惑ッ。
「これで、これ以上
恥を掻かずに済んだわね」
ってッ!
「これッ!
大事な番号の大切な控え
だったんですよッッ!!!」
「え」
「私のケータイッ。
ケータイのッ」
唯一の
手がかりがああああ…。
「ああ、あ…あ」
あまりのショックに
ヒザから下のチカラが抜けて
私はその場に崩れ落ちた。
「まだ若いのに
自分のケータイ番号も
覚えられてないのかい?」
「……」
「自分のケータイの
番号なら
プロなんとかって欄を
見ればいい、とか
ウチの孫が言ってたぞ」
「……」
「座り込んだりして
カッパちゃんは
大袈裟な子ねえ」
白髪&毛染め集団の
厳しい叱咤ッ。