私が振り返るのを
躊躇していると

マッチョなゴマ塩アタマが
揉み手を始め

「やあ。坊ちゃん」

私の背後の人物に
恐る恐る愛想笑いで
話し掛けている。


「こんな時間に珍しいね。
お義兄さんの訪いかい?」


「え?」

お義兄さんの…訪い…?


ゴマ塩アタマが
話し掛けてるその相手。


まさか。

「…ごっくんッ」


まさか、だよね?


こんな場所で
こんなタイミングで
再会するなんて。


「あはッ」

心臓が
口から飛び出しそうだ。


「…クボ…先輩…?」


音が筒抜けの
古いマンション。


「……」
「……」


無責任なウワサ話の
輪の中で

不本意にも主人公然と
目立ってしまっている
自分の運のなさを

呪いたくなる。





月夜に啼く春鶯
〜ツキヨニナクトリ

レクイエム#045

≪〜完〜≫


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