「これね。いいでしょう?」

バードさんが愛おしそうに

鳥型に切り抜かれた写真に
触れる。


「あ、はいッ。
素敵ですねッ」

「……」
「……」

バードさんは
私のこの部屋での様子を

見ていないようで
ちゃんと見ていて。

「……」
「……」

油断のならないそのヒトと
続かない会話に

私は再び
緊張を強いられた。


「ごっくんこッ」

ミルク入りの
インスタントコーヒーが
ほろ苦い。


「…心中未遂、か」

「……」

バードさんが
静かに目を伏せる。


「みんな何も
知りはしないのに」

長いマツ毛が
バードさんの瞳に
影を差した。


「あのとき
死んでいたのは

本当は
僕だったハズなのにね」





月夜に啼く春鶯
〜ツキヨニナクトリ

レクイエム#046

≪〜完〜≫


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