バードさんは
笑ってはいるけれど。


「ここ最近、何か
身の回りがおかしいな、とは
思ってはいたんだ。

誰かに見張られているって
カンジが常にあってね」


「……」


「この部屋にいる僕の存在に
気づいているのなら

直接、僕を詰問すれば
済みそうなモノなのに

キミの依頼主が
それをしようともしないのは
何故なのか」


その目には私への猜疑心が
ありありと表れていた。


「働く僕を毎朝
ただ遠巻きに見ているだけの

あのピンクのジャージの
女性の存在だとか、さ」


あ。テツオさん…。


「今朝、キミ達に思い切って
声を掛けてみたら

ただの愉快なお客さまで」


キミ達のキャラクターに
うっかり
油断しちゃったよ、なんて。


「あのピンクのジャージ

本当は
キミのお姉さんなんかじゃ
ないんだよね?」


何もかもお見通しだ、と
言わんばかりの

真っ直ぐなその瞳。