決死の激白をする私を
無表情なバードさんが
見つめている。
「…それもウソだね?」
「…あの?」
「クボの本宅の跡取りが
キミみたいな子を
相手にするワケ
ないだろう?」
…バードさんの疑問は
当然、と言えば当然
だったのかも
しれなかったけれど。
バードさんは見掛けとかで
ヒトを判断しない人間だと
勝手にイメージを
抱いていたモノだから。
「……」
もう1回着たら
捨てようと思っていた
首回りが伸び掛けている
安物のカットソー。
ヨレたパーカーの袖口に
残っていた古い醤油のシミを
バードさんの視野から
そっと隠した。