「ここの部屋の鍵は
本宅の人間も
持っているんだけれど
留守宅を狙って
入り込まれるのは
何か目的が
あるのかな、って」
留守中に変えられていた
エアコンの設定温度。
点けっ放しになっていた
玄関の電灯。
バードさんが
疑心暗鬼になってしまうのも
無理はなかったのかも
しれない。
だけど。
「…バードさんはどうして
そんな思いまでして
義弟に成りすまし続ける
必要が…」
プルルルルッ。
「!?」
私の手の中で突然
フクロウのぬいぐるみが
震え出した。
『フォー。フォー』
「…何?」
<< 前ページへ
次ページへ >>