「トーコちゃん、時計!
2時にタイマー
セットしちゃってる!」
「え、あ!」
「それッ一度鳴り出すと
3分間経たないと
止まらないんだよ〜」
デジタル音痴のバードさんが
焦ってる。
「……」
私は時計を裏返し
カチ。
何もなかったかのように
タイマーを止めた。
「タイマーも全て
解除しておきますね」
「さすがトーコちゃん!」
「…これくらい」
なんだかこの程度で
そこまで褒められて
複雑なモノを
感じてしまうのは
私が普段
セイに“バカトーコ”と
虐げられ続けてきた故の
屈折なのか。
「ケータイ電話と
操作が同じですし…」
「そうなんだ?
僕、ケータイって
持ったコトないからさ」
「……」
…そうなのだ。