「密葬が終わった
クボの本宅の前で
大騒ぎしていた女性がいて
それがクボくんの
お母さんだった」
バードさんは
ちいさく笑いながら
溜息をつくと
「遅くなったけど
家まで送るよ」
「え」
洗面所から
上半身を
折り曲げるようにして
出てくると
私のアタマを
くしゃり、と撫でる。
「地下の駐車場で
あの運転手といっしょに
キミを解放しても
よかったんだけど」
たぶん今頃、暗闇の中
迷子になっていた
だろうからさ、と
バードさんが
玄関のドアを開けた。
「な〜る程ね!」
「!?」
「やっと謎が解けたよ」
開かれた玄関ドアの向こう
長い腕を投げ出すように
中庭の柵に
もたれ掛かりながら
「…セイ!」
堕天使が
こちらを見て笑ってる。
月夜に啼く春鶯
〜ツキヨニナクトリ
レクイエム#052
≪〜完〜≫
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