「旨い話には裏がある、って
コトバ知ってる?」

セイの挑発まがいの
憶測は続く。


「自分の息子が生前
親切にして貰ったから

信用できるし
チカラになりたい。

アンタだって
そんな建前を鵜呑みにして

信じてたワケじゃ
ないんだろ?」


「……」

震える拳。

もうすでに
バードさんの中の怒りは
リミットいっぱい

我慢の限界を
超えようとしていたのは

誰の目にも明白だった。


「セイ!
もういいから…!」

「キミらに何が
わかるって言うんだ…!!」

私の声をかき消すようにして

バードさんの拳打が
油断を見せていた
セイの胸元に炸裂する!


「…く、はッ」

「セイッ!?」

膝元にあった私の背中に
セイの上半身が崩れ込んだ。


「…セイ?」

「……」

「セイッッ!?」


額に汗を滲ませて
セイが私の腕にしがみつく。


伸筋抜骨。
太極拳の奥義。


「……」

開いた胸元から覗く
金の堅い仮面が

セイのカラダに
食い込んでいた。





月夜に啼く春鶯
〜ツキヨニナクトリ

レクイエム#053

≪〜完〜≫


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