「小学校で
激しいイジメにあっていた
我が子の悩みに気づかず

死に至らしめたのは
自分の責任だ、と

アンタの父親と再婚して
アンタが生まれても

また同じ過ちを
繰り返してしまうのでは、と

自分の子育てに
自信を持てずにいてさ」


育児ノイローゼ。


「アンタの父親は
そんなキリエさんに
理解をみせ

アンタを連れ
都会を離れた」


犬を飼い続けたいが為に
離婚した、なんて

父親の言い訳を

バードさんは
真に受けて…?


「…そんなコト」

「懐の深いやさしいオトコ
だったみたいでさ

太極拳の道場でも
彼を知っている者で
悪く言うヤツはいない」


「……」

大好きな父親を褒められて

眉間にシワを寄せながらも

バードさんの表情が
わずかに緩み始める。


だけど。