「ちょっとふたりで
何、話してるのかな?」


「え、あのッ」

私とセイを見る

バードさんの顔に
戸惑いの色。


「あはッ。

なんでもないですッ。

怪我の状態を
確認していただけ、だよね?

ね、セイ?」


冷静に考えてみれば

額に汗を滲ませて
痛みと闘っていたセイに

私にそんな悪戯する余裕など
あろうハズはなかったのに。


「…フン」

「セイ?」


「…ハハハハハハ」

「セイ…ッ!?」


私の腕の中で
笑いながら

セイの上半身が

崩れ落ちた。





月夜に啼く春鶯
〜ツキヨニナクトリ

レクイエム#053

≪〜完〜≫


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