「……」

「ははッ。まさかッ
こんなちいさいゴミが」

バードさんは
機械に弱いから。

「そんな薄っぺらい
盗聴器なんて
ありえないよね?」

空気を換えようと
頑張る私をよそに

クスリ、と
セイが意味ありげに
笑ってるッ。

「セイッ!

その小バカにした笑いッ
失礼だからッ」

「それ、見せてくれる?」

「……」

「見せて!」


バシッ、と湿布剤で
セイの顔を叩いて

バードさんが
無抵抗なセイから

シールゴミを取り上げた。


「…無知なヤツってさ

どんな発想をするか
読めないから
始末が悪いんだよね」

セイが深く溜め息をつく。


「……」

バードさんの指の中で
何かがキラリ。


「これ
シールゴミじゃないよね?」

「……」
「……」


「僕も盗聴されてた、って
コト?」


「…盗聴されていたのは
俺とトーコで
アンタには関係ない」

「えッ、私もッ!?」


「…ふん。どうだか」

…バード、さん?


「案外、その仮面の盗聴器

このシール状の盗聴器を
回収するときに

自分が犯人だと
疑われないよう

自らも被害者を装う
自演だったりして」


青白い顔をした麗人が
セイに疑いの目を向けた。





月夜に啼く春鶯
〜ツキヨニナクトリ

レクイエム#055

≪〜完〜≫


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