「いくら探したって
アンタのカラダからは
出てこないよ」
セイがちいさく肩を落とす。
「犯人でもないキミに
どうしてそんなコトが
言い切れるのかな!」
ケータイで
ハウらなかったからと言って
他に盗聴器がない、とは
言い切れない。
「電池切れで
役に立たなくなったヤツとか
まだ出てくるかも
しれないだろ!」
出てくる場所によっては
どこで犯人と接触したのか
手掛かりに
なるかもしれない、と
バードさんが
必死になるのも当然で。
なのに
セイは面倒臭そうに
溜め息をひとつつくと
「だから、さ。
そもそも
その盗聴器はコイツに
つけられていたモノだって
さっきから言ってるだろ!」
ほら、その証拠、と
セイが私の右手首を掴み
高々と掲げてみせた。
「アンタが手にしている
その盗聴器のシール部分に
コイツの着ているパーカーと
同じ色の糸くずが
ついているだろ?」
え。