「バードさん。ちょっと
ソレ見せてくださ…」
バードさんの方に
手を伸ばそうとした
私の視界が
ピシャ!
未開封の湿布剤で塞がれる。
「安心しろ。
ソレをお前につけたのは
俺だから」
「は?」
「盗聴器について
いろいろ調べていたときに
自分でも買ってみたワケよ」
湿布剤の袋の角で
私のアゴの下を弄びッ
「ま、お前以上に
使えないヤツだったな」
セイがバードさんに
意味ありげな視線を送った。
「…だからキミは
落ちているソレを見つけて
あのとき自嘲気味に
笑ってたんだ?」
あ。
そうだったんだ…。
「だからセイは…!」
セイの不審な行動の謎が
またひとつ溶けて
笑顔を見せる私の横で
セイが黙ったまま
顔を伏せている。
「セイ…?」
「……」
尋常じゃない汗が
セイの首筋へと流れ落ち
「ちょっと、彼
こっち側の首のトコ
異様に腫れてない?」
バードさんが
自分の首元を指さして
セイの異常を指摘した。
「大袈裟な…」