…あのセイが
静かにアタマを下げている。
「ずっとアンタに
伝えたかった」
セイが
バードさんを探していた
本当の理由。
「お礼なんて言われる
立場じゃない!
僕は!
僕は!」
「……」
「僕は
あそこまで落ちぶれた
ワンオーを!
それでもワンオーの名誉を
守りたくて…!!!」
「……」
「だからッ」
「……」
「だから!
警察にも通報出来ず
大火傷したキミの為に
救急車も呼べなかった!」
己の悔恨に
バードさんは
カーペットの上に
自分の額を
何度も何度も打ちつけた。
「それでも。
アンタは
キリエさんを現場に
呼び出してくれただろ」
「でもあのヒトは!
あのヒトは現場で
何の役にも立たなかった!」
「……」
「気を失っていた
キミの背中を見て
我をなくし
それ見たコトか、と
僕やワンオーを非難して
騒ぐばかりで…!」
「……」
「あのヒトと
口論になっているウチに
気づくとキミの姿も
見えなくなっていて」
「……」
「あの後、どうなったか
キミのコトが
気になっていたけれど
僕は僕で
もう、いっぱいいっぱい
だった」