「仲はよかったよ!」

「……」


「ちいさい頃は故郷で
いつも一緒にいた、って!

支え合っていたんだ、って」


「でも、それは…」

おそらくバードさんが
クボ先輩のお義兄さんから
聴いた話にすぎなくて。


「こうあって欲しい、って
彼が切望、だろ?」

言い方こそ厳しいけれど

セイの指摘は
もっとも、に思える。


淋しい毎日を強いられていた
人間の語りに

どこまで
信憑性があるのだろう。


だけど。


「証拠だってある…」

え。


「コレを目にしたら

クボくんの義弟が
どれだけ
クボくんを慕っていたかが

キミ達にだって
わかるハズだ!」

バードさんは
勢いよく立ち上がると

何かを決心したような
硬い面持ちで

玄関ドアの方へと
向かっていった。