私がこの家に入るときに
足を引っ掛けて転んだ
カーペットのちいさな捲れ。
バードさんは
そこに指を掛け
「これがあの日
クボくんが命がけで
守ろうとした真実だ…!」
イッキにカーペットを
捲り上げる。
「……」
中から顔を出したのは
油紙に包まれた
平たいモノ、だった。
「なる程、ね」
ソレ床に視線を落としながら
セイの口の端が上がる。
「こんなトコロに
そんなお宝を隠していたから
さっきここで
盗聴器を見つけて
アンタはあんなに
取り乱していたんだ?」
「…どういう意味、かな」
「アンタが隠し持っていた
コレ
もしかして、さ。
クボの長男の事故現場に
散らばっていたと言う
消えた“証拠物件”
じゃないの?」
月夜に啼く春鶯
〜ツキヨニナクトリ
レクイエム#058
≪〜完〜≫
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