自分の頬に指を添え
苦し紛れの
ハッピースマイルッ。
「……」
「……」
ふたりの美形の
厳しい眼差しが
一斉に
こちらに向けられる。
「…あはッ?」
汗だくで笑ゴマする私に
「クスッ」
「!?」
「…ゴメッ。
トーコちゃんを見てると
近所のバカ犬のコト
思い出しちゃってさ」
セイが
バードさんの口真似で
嫌味を飛ばした。
「…ヒトの気も
知らないで…ッ!」
怒を露にする私に
「わかってるさ」
セイが
上半身を預けるようにして
壁に寄り掛かる。
「セイ…?」
「回りくどいコトは
この際ナシで
参りましょうかあ!」
その場の空気を
リセットするかのように
手をひとつ叩くと
セイは皮肉めいた笑いを
バードさんに投げ掛けた。