「ぶっちゃけ、俺
クボの義兄弟と同郷で
昔のアイツらとは
因縁浅からぬ
カンケイなワケ」
…モノは言いようッ。
まるで昔の知り合いを
心配して
気になったから、と
言わんばかりの言い回しに
「…クボくん達の
幼なじみ…なんだ?」
バードさんが
目を輝かせる。
「だったら…!」
同意を求めようとする
バードさんのコトバを
阻むようにして
「中学生の義兄の
髪の毛を掴んで
笑いながら
車を運転させてた
義弟の姿しか
覚えてないけどさ」
突き放した。
「…それは。たぶん
“あの騒動”があった
直後の様子じゃ
ないのかな…?」
バードさんは懸命に
そして冷静に
自分のアタマの中を
整理しようと
努力しているように見える。
「…“あの騒動”?」
セイのツッコミに
「……」
バードさんの口が
硬く一文字に結ばれた。
答えたくないのか。
それとも
コトバが見つからない
だけなのか。