「そりゃ、そうだよね。

自分のダンナが
しょ〜こりもなく

若い女性を
ハラませたんだから」


え。


「しかも相手が

当代きっての才女で有名な
美人キャスター!」


これまたネットで検索すると
かなりの勢いで
ヒットが出るよ、と

セイが皮肉な笑みを見せる。


「それって。

もしかして
ルリちゃんのお母さん…?」


「そ!

もっとも海外で極秘出産して

私、出産なんて
していません、って
知らん顔で現場復帰」


「……」


「生まれた子は
本妻の子として
戸籍には記されている」


「まさか…」

バードさんにとっても

それは
初めて知る衝撃の真実で。


「…だってさ。

だって、クボくんは
苦笑しながら
話していたんだよ?

酔っ払いの話を
幼い義弟が
真に受けてね、って」


「“お前なんか
私の子じゃない。

クボの血など
流れていない”って?」


「……」

セイから語られた
クボ家の真実に

バードさんは
動揺を隠せない様子だった。