酔った勢いで
暴露してしまった秘密。


“だからお母さんは
僕を遠ざけていたんだ”


酔いが覚めて
いくら否定したトコロで

後の祭り。


親と子として
交流のなかった母親の
言い訳に

説得力はナイ。


なのに

自分のコトをあくまで
正当な跡取り息子として
扱い続けるオトナ達。


本当は自分こそが
クボ家の後継者たる者だと
主張すべき義兄までもが

そんな話はデタラメだ、と
笑い飛ばして

疑うコトすら
しようとしないなんて。


身の置き場所もなく
自分の出生すらわからない。


自分は何者なのか。

ここに居てもいいのか。


自分を追い詰め
あがき、苦しみ抜いた

「その結果が

セイのご両親の
あの自動車事故…?」


「……」

見あげた
セイの厳しい横顔が

私に同情するな、と
釘を刺していた。


「…まさか!

義妹さんのコトだって
そんなの聞いてなかったし」