“僕は死なないから。
これくらい平気だから”


“大丈夫、約束しただろう。

僕はお前の傍で
ずっと一生
支えてやるんだから”


今度はセイが
長男のセリフを再現して


「…どうだろうね!

この長男の
いい子ちゃんぶり」


また義兄をコケ下ろす。


「お前のその慈悲深さが

相手をさらに
追い詰めるんだよ、って

俺、思わず本妻と義弟に
同情しちゃうね」


辛辣なセイの指摘。


だけど

バードさんですら

セイに何も
言い返せずにいたのは

セイのその表情に

苦悩と切なさが
見え隠れしていたから

なのか。


「……」
「……」


誰もセイに
反論しようとしない
この空気を嫌うように


「…あのときの
俺の連れってさ。

ちょっと訳ありの
義弟の実母の関係者
だったから…」


セイは口を尖らせて
その目を空に泳がせた。


「クボ先輩の実母の
関係者、って…」

まさか。