青いペンキのついた
ストラップ。


ワンオーの幹部の
軍靴にもついていた
輪っか染み。


私の記憶の断片が

上層部公認の粛清が
セイの想像では
ナイってコトを

立証する。


「一般人に目撃された
粛清直後の悲惨な姿は

やがて
居もしない通り魔のウワサを
作り上げてさ」


タクシーの運転手さんの
体験談も

テルさんから聞いた
ウワサ話も

「みんなみんな…」


「そういうコト」


あれ。


だけど

「ちょっと待って!」


だったら
シンスケの事件は!?


「シンスケはワンオーとは
カンケイないんだけどッ!」

「……」


「被害者はみんな
粛清された
ワンオーのメンバー
だとしたら

矛盾するよね!?」


セイに詰め寄る私に

「…さあ。模倣犯でも
出たんじゃないの?」


セイが
視線を空に飛ばした。