レクイエム#062


「…さっきからキミは
何が言いたいのかな?」

バードさんが俯いたまま
静かに口を開く。


「…さあね」

セイがうそぶいた。


まるで

さもクボ先輩が
後ろ盾になっているから

ワンオーがやりたい放題
野放し状態に
なっているのだ、と

言わんばかりで。


例え
事実がそうであったとして

そんなコトを
今更、こんな形で確認して

何になると言うのだろう。


「あのさ。セイ
もう、いいじゃない。

帰ろうよ。

さすがに
パパ達が心配するから」


“パパ達が心配する”

セイに対する
絶対的効果のあるカードを
切って

セイのカラダを正面から
玄関に押し出そうとした私を

「お前は
少し黙っていろ…!」

セイの低い声が牽制した。


「…だって」