過去を洗いざらい精査して

セイの納得できる事実を
手に入れたとして


一番傷つくのは
セイ自身ではナイのか。


憎しみなんて
理屈じゃない、って
わかってる。


だけど。

だけど…!


「…真相はさ

ホントは
違ったんじゃないの?」

セイが私の肩越しに
バードさんを覗き込んだ。


「だいたいさあ。

あんなワンオーなんかに

わざわざ
弱みを握られるような依頼を

クボ家の跡取り息子が
したなんて

不自然すぎると思わない?」


え。


「だってさ。
おかしいじゃない?

自分の過去の事件を
嗅ぎまわってる小学生が
いたとして

相談する相手に
何であんな胡散臭い集団を
選ぶかねえ?」


「セイ…?」