「ワンオーの本部に
クボくんの転落死のコトを
調べに来ていた
小学生の身長が
ちょうど同じくらいでさ」
「……」
「生前、故郷での車の話を
何かしていなかったか、とか
なんかね、まるで
過去に何か秘密でもあって
自殺したのでは、と
決めつけてるみたいな
口ぶりが
印象的で」
そのとき
ワンオー本部にいた
人間の目には
「クボ家に余程なにか
深い恨みと因縁がある
人物のように
映っていたから…」
要注意人物。
クボ家の跡取り息子の耳に
そんな情報を入れて
どうするつもりなのか。
「近づきながら
僕が声を掛けると
少年は振り向くコトなく
その場を立ち去ろうとして」
“なあに。心配しなくても
大丈夫ですよ。
うまく片付けておきますよ”
ワンオーのリーダー格の
おおきな声が
夕闇の公園に響いていた。