「あ、うん…」
そうだね。
そうだよね。
でも。
クボ先輩の潔白が
明かされた安堵より
その真相をあのセイが
私に証明した、という事実に
戸惑いを覚えてしまうのは
何故なのか。
「…セイはいつから
事実はそうじゃ
ないんじゃないか、なんて
そんな疑いを
持っていたの…かな?
なんて…ははッ?」
私の投げ掛けた疑問に
「……」
セイの顔から
嫌味な笑みが消える。
私に何かを悟られるのを
嫌うように
セイが私に背を向けた。
月夜に啼く春鶯
〜ツキヨニナクトリ
レクイエム#062
≪〜完〜≫
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