床の上
油紙の包みの上で
バードさんが拳を硬くする。
「……」
静寂が
私達に“救い”のセリフを
催促していた。
何かバードさんに
コトバを
掛けるべきなんだろう、とは
思うけど
今更、もしも、なんて
懺悔されても
仕方のないコトで。
「……」
いつもなら
こんなとき
嫌味のひとつでも
放ちそうなセイですら
その背中は
動く気配すらない。
申し訳ないけれど
バードさんが期待する
コトバなど
今の私もセイも
持ち合わせてはいなかった。
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