自分の立場を理解し
親の意に沿うよう
表面上はいい子を装いながら
自分の中にある
隠し切れない
デザインへの情熱。
水色のストライプの
ボックの制服
クボ先輩は
私によく似合ってる、と
言ってくれたっけ。
「……」
甦ってくる
クボ先輩のやさしい笑顔。
幼き日のクボ先輩が
描いたという
ボックの制服を
そっと指でなぞってみる。
「…こんな昔から
制服のアイデア
温めていたんだ」
「ハン!」
私の背後で
気に入らない、と
言わんばかりに
セイが苛立っていた。
「義弟くんだけじゃなく
クボくんだって
夢の実現の為に
頑張っていたよ」