バードさんが視線を飛ばす
ドアの向こう


「全国からいろんな粉や塩を
取り寄せては

バンズの研究に
余念がなかったな」


キッチンの奥に積まれていた
小麦粉の箱。


「試食は
いっつも僕と先輩でさ。

たまにとんでもないモノ
食べさせられたりして」


口直しに先輩とマーマの店に
よく寄ったよ、と

バードさんが
静かに思い出し笑いをする。


高速沿いにあった
トラック・ドライバーに
人気の中華のお店。


「マーマの店
本当に旨いからさ。

なんか僕まで
影響受けちゃって」


照れくさそうに俯いた。


「キッチンにあった食材

てっきりバードさんが
使ってたとばかり
思ってました…」