「まさか!

どれも賞味期限切れも
いいトコロだよ。

古くてさ

もう使い物には
ならないんだけど」


どうしても処分
出来なくて、と

バードさんが静かに微笑む。


遺された食材達に込められた
クボ先輩のお義兄さんの

夢、そして希望。


思い入れが強すぎて

手をつけられなく
なっていた、というのも

当然と言えば当然、だった。


「ふ〜ん。で、アンタは

この部屋が売りに
出せないように

幽霊のウワサが出るような
小細工をしてた、って
ワケだ?」


「え」

「……」


セイの指摘に

思い出話に緩んでいた
バードさんの顔が

また硬くなる。


「まさか、バードさん?」

マジ、なんですかッ?