「…もしかして

留守中に変えられていた
エアコンの設定温度、とか

点けっ放しになっていた
玄関の電灯の話、とか…」

バードさんが
被害者気取りで
私に話していたコト


「あれも全部…?」

自作自演…。


「あれは
本当に僕じゃない!!!」

「……」

「僕がやったのは
玄関ドアから外に
水を垂らしておく、とか

夜中に泣いてみる、とか
シルエットを
浮かばせてみる、とか

せいぜいその程度で…!」


…その程度、ってッ。

充分、怖いんですけれどッ。


ここにきて
バードさんというヒトが
未だ理解できませんッ。


髪を掻きながら
眉を寄せる私の横で

「フ…」

セイがまた笑ってるッ。


「誰が何の目的で
この部屋に入っているのか

心当たりがあるからこそ

そいつが何故
立ち入った気配を
残したままにしているのか

その意図が理解できずに

アンタは疑心暗鬼に
なってたんだろ?」


…セイ?