「子どもが描いた
古い絵を
玄関のカーペットの下に
隠す必要性、って
何なんだろうねえ?」
「……」
セイの追及に
バードさんの目が泳ぎ出す。
「…これは、その。
クボくんや義弟くんの
母親達が
万が一、目にして
不愉快に思われたら
その…」
「破りかねない、と〜お?」
「あ!」
バードさんの目の前にあった
油紙を
セイが足で蹴飛ばすと
バササア!
古い絵の下から姿を現した
黄ばんだ画用紙の破片が
床の上に広がった。
「何を…!」
バードさんが破片を
必死にかき集めている横で
私は足元に飛んできた
破片を拾いあげる。
「これって…」