「…あの…?」

「……」


「…本当に
殺していないんなら

ウワサを逆手にとって

同情を買う、という
情報戦略にも
出れただろうに」


それをせずに


「本妻側がやっきになって
物証を探し続けていたのは

何故なんだろうね?」


「…セイ?」


「しかも

物証である画用紙の一部が
後日、発見され

提出されたにも
かかわらず、だ」


「発見、提出…?」

バードさんが顔を上げ


「…そんなワケ…」

目の前の画用紙を
並べはじめる。


「風に飛ばされたと思われる
画用紙の一部が

隣りのマンションから
見つかって

本妻側の弁護士から
警察に、ね」


「画用紙は全ピース
揃っていたハズなんだ…!」


破られた画用紙を扱う
バードさんの指が
震えていた。