レクイエム#066


科学捜査が当たり前の昨今

“証拠品捏造”

そんなコトが本当に
可能なモノなんだろうか。


「いったいどうやって…!」


「……」

「どんな方法で!?」


立ち上がったバードさんが
セイの胸ぐらを掴む。


バードさんが
我を失ってしまうのも
無理はなかった。


自分のやってきたコトが

怯え暮らしてきた数年間が

無意味だった、なんて
あまりにも切なすぎる。


「…この画用紙を
見てくれよ!

何年ものときを経て

ほら、変色だって
この通り進んでいるし!」


合点がいかないのも当然で


「これには義兄弟の

子どもの頃の指紋だって
ついているんだよ!?」


それは偽造しようがナイ
代物のハズだった。